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ジュヴレ シャンベルタンの教科書【ドメーヌ アンリ ルブルソー】【ソムメモ】

ジュヴレ シャンベルタンの教科書【ドメーヌ アンリ ルブルソー】【ソムメモ】

ドメーヌ解説

ドメーヌ解説

ドメーヌ アンリ ルブルソーは1919年に前オーナーのジャン・ド・シュルレ氏の祖父であり、将軍であったアンリ・ルブルソー氏が畑を購入したところからスタートします。

2018年にシャトー・モンローズなどを所有するブイグファミリーの資本が入り、アップグレードするも実質的な運営方針は不変であり、現在も6代に渡る家族経営を行っています。

所有畑13.5haの内5.5haはグランクリュです。生産されるワインは全て自社畑からで契約農家からのブドウはありません。

2009年以降全ての畑でビオディナミ栽培を行なっています。

さらに、ビオディナミで用いられる調合剤に関しても、独自のこだわりにより、使用するもの、しないものを明確に分けています。

ピノノワールはマサルセレクションで育成されており、当ドメーヌでは、粒が小さく、皮が厚くなる種類のピノノワールをセレクトし栽培しています。

テイスティングコメント

テイスティングコメント

2019 ジュヴレ シャンベルタン ドメーヌ アンリ ルブルソー / Gevrey Chambertin Domaine Henri Rebourseau

3つのクリマをブレンド。(シルヴィ、プレソニエール、サンソニエール)

深く鮮やかなパープルレッド。サワーチェリーのエキスの詰まった香りに黒スミレの華やかさ。黒系スパイスを砕いた印象、若葉のような若々しいグリーンな香りに黒土のタッチ。強めのアタック。果実のヴォリュームをともなった厚みのある酸がジューシーさを与える。スムースなタンニンにはやや苦味を感じローストフレーバーと重なりほろ苦さを感じる。タバコのような葉っぱのフレーバーがフィニッシュに長く残る。
ピノノワール100%


2019 ジュヴレ シャンベルタン ラ ブリュネル ドメーヌ アンリ ルブルソー / Gevrey Chambertin La Brunelle Domaine Henri Rebourseau

やや明るめのパープルレッド。エキス感のあるベリーと花のブーケが前面に強く感じる。パウダー状の香辛料やプルーンのフレッシュな印象が混在。草木のグリーンのタッチ。しなやかなアタック。強めの酸とタンニンがヴォリュームをつくりパワフルな印象。果実のエキス分を強く感じ、元気な印象でベリーフレーバーが長く余韻に続く。
ピノノワール100%


2019 ジュヴレ シャンベルタン プルミエ クリュ フォントニー ドメーヌ アンリ ルブルソー / Gevrey Chambertin 1er Cru Fonteny Domaine Henri Rebourseau

北向きの斜面で冷涼な畑。フォントニー全体の1/4を所有。

赤みの強いパープルレッド。甘味をともなう熟したラズベリーの香りに赤い花弁の繊細なフローラルアロマ。フルーツのジューシーさと赤身肉のジューシーさが混在。パワフルながら親しみやすさがありアセロラの様なタッチ。バランスのとれた繊細なアタック。リズミカルな酸が心地よく広がり優しいタンニンが下支えする。気品のある涼しげな印象。石のミネラルフレーバーと野イチゴのフレーバーが余韻に残る。
ピノノワール100%


2019 シャウム シャンベルタン ドメーヌ アンリ ルブルソー / Chaumes Chambertin Domaine Henri Rebourseau

濃いめのダークレッド。凝縮感のあるダークチェリーのアロマに黒スミレのアンフュージョン。ワイルドハーブやブラックペッパーのアロマが混在し複雑。しっかりとローストした肉の印象やコーヒーのビターなアロマがアフターに広がる。ダイナミックなアタック。エキス感の詰まった印象で、固さのある酸味が骨格をつくる。タンニンは艶感があり長期熟成のポテンシャルを感じさせる。ジューシーな旨味がアフターに現れ若いながら調和のとれたバランス。高品質。
ピノノワール100%


2019 シャンベルタン クロ ド ベーズ ドメーヌ アンリ ルブルソー / Chambertin Clos de Beze Domaine Henri Rebourseau

2017年より、シャンベルタンとクロドベーズを分けてリリース。
クロの中でも最も古い区画を所有。*2019年シャンベルタンのリリースはなし。

深みがありエッジに紫をしっかりと残すダークパープル。黒系果実の熟した印象。花の香水のような芳香性の高い香りと、木のローストやバニラのなめらかな香りが高次元でバランスをとる。多様な香りが力強く混在し、時間をかけることで、調和がとれていく。ジューシーで骨太なアタック。上質な張りのある酸と磨かれたタンニンがグレートなスケールを形成。縦に伸びる酸のダイナミックさと、口中全体に広がるフルーツやスパイスのフレーバーが官能的魅力を与える。数年の熟成を必要とするも、若い段階から完成された偉大なワイン。
ピノノワール100%


2019 クロ ド ウージョ ヴィエイニュ ヴィーニュ ドメーヌ アンリ ルブルソー / Clos de Vougeot Vieilles Vignes Domaine Henri Rebourseau

51ha中2.2ha所有(シャトードラトゥールとルロワの畑に隣接)。
現在86の生産者が所有。

透明感のあるピュアパープルレッド。赤系のフルーツを中心にポイズンベリーやワイルドベリーのタッチ。フローラルな印象やスモーキーな印象もあり強さもありつつ軽やかな印象も併せ持つ。旨味をともなうしなやかなアタック。スムースに流れる酸味とヴェルヴェットのようなタンニンがエレガントな印象。昆布だしのような旨味が口中に広がり、滋味深さを感じる。
ピノノワール100%


*グランクリュ シャンベルタンは2019年ヴィンテージについて、生産量減のため生産はありません。

まとめ-ジュヴレ シャンベルタンの教科書-

当ドメーヌのワインは一貫してテロワールの表現にこだわったワインという印象を受けます。

過度な色素の抽出やタルの香りを付けるといったことはなく、それぞれの畑がもつ個性を最大限に表現するということを至上命題にしています。

まさにジュヴレシャンベルタンの教科書と言えるドメーヌであり、村名クラスであってもしっかりとドメーヌと村の特徴、輪郭がはっきりと現れています。

またグランクリュに関しては、間違いなくブルゴーニュのトップクラスに君臨するワインであり、近年多くなってきている若い内から飲めるワインというわけではなく、十分な熟成期間を必要とする偉大なワインを生産しています。

ジュヴレシャンベルタンを、ブルゴーニュを理解する上で、必ずといって良いほど経験すべきワインのひとつです。

特に、シャンベルタン クロ ド ベーズは近年までシャンベルタンとブレンドされリリースされていましたが、当代になり、シャンベルタン クロ ド ベーズとシャンベルタンは別々にボトリングされることになりました。より一層生産量は少なくなりましたが、その味わいは格別です。見かける機会があれば是非味わって見てください。

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