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ソムメモ【第6回 ボルドー地方】ソムリエ完全解説<2024年最新版>

ソムメモ【第6回 ボルドー地方】ソムリエ完全解説

はじめに

ボルドー地方はフランスの南西部に位置し、世界的に有名なワイン産地として知られています。この地域は、その多様な気候と土壌により、多種多様なワインを生み出しています。歴史的には、古代ローマ時代からブドウ栽培が行われており、中世には修道士たちによってその技術が発展しました。今日では、ボルドーワインはその品質と風味の高さから、世界中のワイン愛好家に愛されています。

第6回は、ボルドー地方の概要から始め、気候と風土、主要ブドウ品種、ワインの分類とラベル、そして主要なワイン産地について詳しく解説していきます。最後に、ボルドーワインの特徴と試飲ポイントをまとめとしてご紹介します。ソムリエ試験の攻略に役立つ情報を盛り込んでおりますので、是非参考にしてください。


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目次

1. ボルドー地方の概要

  • 地理と気候風土
  • 歴史的背景
  • ボルドーワインの取引と市場

2. 主要ブドウ品種

  • 白ブドウ品種
  • 黒ブドウ品種

3. ボルドーワインの分類とラベル

  • 格付けという概念

4. ボルドーのワイン産地と特徴

5. まとめ

1. ボルドー地方の概要

地理と気候

ボルドー地方はフランス南西部のジロンド県に位置し、北緯45度にあります。この地域はピレネー山脈から流れるガロンヌ川、中央山塊から流れるドルドーニュ川、そしてこれらが合流して形成されるジロンド川の三つの主要な川に囲まれています。これらの川は地域の気候と土壌に大きな影響を与え、ブドウ栽培に最適な条件を提供しています。

ガロンヌ川: ピレネー山脈から流れ出ており、ボルドー市を経由して北へ向かいます。この川は、特に南西部のメドック地区のブドウ畑に影響を与えています。

ドルドーニュ川: 中央山塊から流れ出ており、ガロンヌ川と合流する前に東部のサンテミリオンやポムロールのブドウ畑を潤しています。この地域の土壌は石灰岩が多く含まれており、特にメルロ種に適しています。

ジロンド川: ガロンヌ川とドルドーニュ川がボルドー市のすぐ北で合流して形成されます。ジロンド川の周囲には広大なブドウ畑が広がっており、その場所によって異なるスタイルのワインが生まれます。

ボルドー地方の気候は大西洋沿岸を流れるメキシコ湾流(暖流)の影響を強く受けています。この暖流により、地域は穏やかな海洋性気候が特徴です。年間を通じて温暖で湿度が高く、ブドウの成長に必要な長い生育期間が確保されます。この温暖な気候は、ブドウが十分に成熟するために重要であり、特に晩熟品種にとって理想的な環境を提供します。

また、大西洋とブドウ畑の間に広がる「ランドの森」は、海風からブドウを守る役割を果たしています。この森の存在により、ブドウ畑は穏やかな気候条件の下で育つことができ、品質の高いブドウを生産することが可能となります。ランドの森は特に、海風による急激な温度変化や湿度変化を緩和する効果があり、ブドウの健全な生育に寄与しています。

歴史的背景

ボルドー地方のワイン生産の歴史は、紀元前1世紀の古代ローマ時代にまで遡ります。ローマ人によってブドウ栽培が導入され、中世には修道士たちによってその技術が発展しました。特に、ベネディクト派やシトー派の修道士たちは、ブドウ畑の開発とワイン製造技術の向上に大きく貢献しました。18世紀にはイギリスとの貿易が盛んになり、ボルドーワインは国際的に知られるようになりました。

ボルドーはユネスコの世界遺産にも登録されています。1999年には「サン・テミリオン管轄区」、2007年には「月の港ボルドー」が世界遺産に認定されました。これらの地域は、その美しい景観と歴史的価値が評価されています。また、2016年にはワインのテーマパーク「シテ・デュ・ヴァン」がオープンし、ボルドーは再びワイン文化の世界的な中心地として注目されています。

ボルドー大学醸造学部は、世界中のワイナリーから子弟が学びに来るほか、最先端の研究が行われていることで知られています。これにより、ボルドーはワインの品質と革新においてもリーダーシップを発揮し続けています。

ボルドーワインの取引と市場

ボルドー地方には5000以上のシャトーが存在し、14000の生産者がいます。ワインの取引は伝統的にネゴシアンと呼ばれるワイン商を通じて行われ、シャトーが直接小売業者と取引することは稀です。そのため、ワイナリーを訪れても直接ワインを購入することはできません。このシステムは、中世の時代から続くもので、ネゴシアンはワインの貯蔵、販売、輸出を担い、ボルドーワインの世界的な普及に貢献してきました。

シャトーと呼ばれるワイナリーでは、ブドウの栽培から醸造、瓶詰めまで一貫して行われます。シャトー所有のブドウ畑で収穫されたブドウを使って生産されたワインには、「ミザン・ブティーユ・オー・シャトー」というラベルが付けられます。ボルドー地方のワインは、複数の品種をブレンドして作られる「アッサンブラージュ」が特徴で、これにより各品種の特性を最大限に活かした複雑でバランスの取れたワインが生まれます。例えば、カベルネ・ソーヴィニヨンは骨格と長期熟成能力を、メルロは豊かな果実味と柔らかなタンニンを提供し、これらをブレンドすることで非常にバランスの取れたワインが生まれます。

ボルドー地方全体でのワイン生産量は膨大であり、その多様性と品質の高さから、世界中のワイン市場で高く評価されています。

2. 主要ブドウ品種

ボルドー地方は多様なブドウ品種を栽培しており、特に赤ワインの生産が盛んです。ワインの総生産量は年間490万ヘクトリットルに達し、ブドウの栽培面積は11.5万ヘクタールに及びます。これはドイツ全体のブドウ栽培面積を上回る規模です。

白ブドウ品種

セミヨン (Sémillon)

ボルドーの白ワイン用ブドウ品種の中で最も広く栽培されています。セミヨンは、豊かな風味とクリーミーなテクスチャーを持つワインを生み出し、特に貴腐ワインの生産に適しています。

ソーヴィニョン・ブラン (Sauvignon Blanc)

フレッシュでアロマティックなワインを生み出す品種です。柑橘類やハーブの香りが特徴で、セミヨンとブレンドされることが多いです。これにより、バランスの取れた酸味とフルーティーな風味が生まれます。

ソーヴィニョン・グリ (Sauvignon Gris)

ソーヴィニョン・ブランの変種で、より濃厚な風味と豊かなボディを持つワインを生み出します。

ミュスカデル (Muscadelle)

少量しか栽培されていませんが、独特のアロマティックな香りとフローラルなノートを持つワインを生み出します。セミヨンやソーヴィニョン・ブランとブレンドされ、複雑さと香りを追加します。

黒ブドウ品種

カベルネ・ソーヴィニョン (Cabernet Sauvignon)

ボルドーの赤ワイン用ブドウ品種の中で最も重要な品種です。カベルネ・ソーヴィニョンは、骨格のしっかりとしたワインを生み出し、長期熟成に耐えることができます。ブラックカラント、タバコ、シダーの風味が特徴です。

メルロ (Merlot)

ボルドーで最も広く栽培されている黒ブドウ品種です。豊かな果実味と柔らかなタンニンを持つワインを生み出し、カベルネ・ソーヴィニョンとブレンドされることが多いです。これにより、ワインに丸みと飲みやすさが加わります。

カベルネ・フラン (Cabernet Franc)

香り高く、スパイシーな風味を持つワインを生み出します。カベルネ・ソーヴィニョンとメルロの補完的な役割を果たし、ブレンドに複雑さとバランスをもたらします。

マルベック (Malbec)

別名コット (Côt) とも呼ばれ、濃厚な色合いと強いタンニンを持つワインを生み出します。ボルドーでは補助的な品種として使われ、特に南米では単一品種としても高く評価されています。

プティ・ヴェルド (Petit Verdot)

遅熟の品種で、色合いが濃く、タンニンが豊富なワインを生み出します。少量がブレンドに加えられ、ワインに深みと構造を与えます。

カルムネール (Carmenère)

かつてボルドーで広く栽培されていましたが、現在はほとんど見られません。スパイシーでベリー系の香りを持つワインを生み出し、チリでは主要な品種として復活しています。

ボルドーのブドウ品種の多様性とそれらのブレンド技術は、地域のワインの品質と複雑さを高め、世界中のワイン愛好家に愛される理由となっています。

3. ボルドーワインの分類とラベル

ボルドーワインの分類とラベル表記に関しては、前回の「ソムメモ【第5回 フランス概論】ソムリエ試験攻略 <2024年最新版>」にて詳しく説明しています。詳しい内容についてはそちらをご参照ください。

ボルドーの格付け

ボルドー地方には「格付け」という独自の概念があり、これはワインの品質を評価する重要な指標となっています。格付けは個々のワインではなく、シャトー(生産者)に対して付けられるものであり、そのシャトーが生産するワインの総合的な品質を反映しています。

ボルドーの格付けにはいくつかの種類が存在し、それぞれが異なる基準や歴史を持っています。代表的なものには以下のようなものがあります:

メドックの格付け (1855年)

最も有名な格付けで、ナポレオン3世の命令により1855年のパリ万国博覧会に合わせて制定されました。全61のシャトーが格付けされ、1級から5級までの5段階に分類されています。

グラーヴの格付け (1953年, 1959年)

赤ワインと白ワインの両方が対象で、16のシャトーが格付けされています。メドックのように階級分けはなく、全てのシャトーが一律に格付けされています。

サンテミリオンの格付け (1955年)

10年ごとに見直しが行われるのが特徴で、最新の格付けは2022年に実施されました。Premiers Grands Crus Classés AとB、Grands Crus Classésの3階級があります。

ソーテルヌとバルサックの格付け (1855年)

甘口白ワインの格付けで、1級と2級に分類されています。

クリュ・アルティザン (Crus Artisans)

19世紀に導入された格付けで、現在は33のシャトーが認定されています。小規模生産者が対象で、伝統的な手法でワインを生産しています。

クリュ・ブルジョワ (Crus Bourgeois)

1932年に初めて導入された格付けで、メドック地区のシャトーが対象です。最新の認定は2020年に行われ、定期的に見直しが行われています。

ボルドーの格付けシステムは、その地域のワインの品質と名声を維持し、消費者に信頼性を提供するために重要な役割を果たしています。詳細については次の段落で詳述しますので、そちらをご覧ください。

4. ボルドーのワイン産地と特徴

ボルドー全域

ボルドー地方は、フランス南西部に位置し、広大なワイン生産地域として知られています。ボルドー全体には数多くのAOC(Appellation d’Origine Contrôlée)が存在し、それぞれが特有のワインを生産しています。以下に、ボルドー全域の主なAOCとその特徴をまとめた表を紹介します。

AOC名タイプ備考
ボルドー (Bordeaux)赤(R)、白(辛)(B)、ロゼ(r)ボルドー・シュペリュールの方が収穫時の最低糖度、収量、最低アルコール度などの規定が厳しい
ボルドー・シュペリュール (Bordeaux Supérieur)赤(R)、白(甘)(B)上位のAOCで、厳格な規定が適用される
ボルドー・クレレ (Bordeaux Claret)ロゼ(R)黒ブドウのみから造られる、色の濃いロゼワイン
ボルドー・クレレ (Bordeaux Clairet)ロゼ(r)黒ブドウのみから造られる、色の濃いロゼワイン
クレマン・ド・ボルドー (Crémant de Bordeaux)発泡性白(rB)、ロゼ(辛)(rB)瓶内二次発酵方式で造られ、ティラージュ後の最低熟成期間は9ヶ月

ボルドー全域には、他にも多くのAOCが存在し、それぞれの地域が独自の特色を持つワインを生産しています。これらのAOCの多様性は、ボルドーワインの豊かなバリエーションと高品質を支える重要な要素となっています。

メドック地区

メドック地区は、ボルドー市の北側、ジロンド川の左岸を南北に伸びる産地です。この地域は、ピレネー山脈から流れてきたギュンツ氷期の砂利が数十メートルの深さまで堆積しており、砂や砂利の砂礫土壌が広がっています。これらの土壌はカベルネ・ソーヴィニョンの栽培に非常に適していますが、実際の作付け面積ではメルロの方が多いです。ジロンド川沿いの砂や砂利の多い砂礫質土壌は、カベルネ・ソーヴィニョンの生育に適していますが、河口(下流)に行くほど粘土質の土壌が目立ってきます。

以下にメドック地区の主なAOCをまとめた表を示します。

名称タイプ特徴
メドック (Médoc)メドック地区全体をカバーし、カベルネ・ソーヴィニョンが主要品種。
オー・メドック (Haut-Médoc)メドック地区の南部をカバーし、高品質な赤ワインが生産される。
サンテステフ (Saint-Estèphe)堅固なタンニンと長期熟成に耐えるワインが特徴。
ポイヤック (Pauillac)高貴で力強いワインが特徴。シャトー・ラフィット・ロートシルト、シャトー・ムートン・ロートシルト、シャトー・ラトゥールがある。
サンジュリアン (Saint-Julien)フルーティーでバランスの取れたワインが特徴。
マルゴー (Margaux)エレガントで芳醇な香りを持つワインが特徴。シャトー・マルゴーが有名。
リストラック (Listrac-Médoc)しっかりとした構造のワインが生産される。
ムーリス (Moulis-en-Médoc)フルボディでバランスの取れた赤ワインが特徴。

メドックの格付け

メドックの格付けは、1855年のパリ万国博覧会を機にナポレオン三世の命令を受けてボルドー市の商工会議所が作成しました。この格付けでは、メドック以外から唯一グラーヴ地区のシャトー・オーブリオンがプルミエ・グラン・クリュ・クラッセに認定され、現在61銘柄が存在します。シャトー・ムートン・ロッチルドは1973年に一級に昇格し、シャトー・ダルマイヤックは1989年に旧名シャトー・ムートン・バロン・フィリップから名称変更されました。また、万博の会期中にシャトー・ダルマイヤックが5級に加えられました。

格付けのポイント

メドックの格付けで重要なのは、等級とコミューン名、シャトー名です。各コミューンには一つや二つ、特に注目すべきシャトーがあり、すべて赤ワインのみが対象です。一回で覚えきれないため、マップとリンクして見慣れることが大切です。時間と労力のバランスを考慮しながら、メドックの格付けの概要を理解しましょう。

1級シャトー

AOCコミューン銘柄名読み方
PauillacChâteau Lafite-Rothschildシャトー ラフィット・ロートシルト
PauillacChâteau Latourシャトー ラトゥール
PauillacChâteau Mouton-Rothschildシャトー ムートン・ロートシルト
MargauxChâteau Margauxシャトー マルゴー
Pessac-LéognanChâteau Haut-Brionシャトー オーブリオン

2級シャトー

AOCコミューン銘柄名読み方
Saint-EstèpheChâteau Cos d’Estournelシャトー コス・デストゥルネル
Saint-EstèpheChâteau Montroseシャトー モンローズ
PauillacChâteau Pichon Longueville Baronシャトー ピション・ロングヴィル・バロン
PauillacChâteau Pichon Longueville Comtesse de Lalandeシャトー ピション・ロングヴィル・コントワーズ・ド・ラランド
Saint-JulienChâteau Léoville Las Casesシャトー レオヴィル・ラス・カーズ
Saint-JulienChâteau Léoville Poyferréシャトー レオヴィル・ポワフェレ
Saint-JulienChâteau Léoville Bartonシャトー レオヴィル・バルトン
Saint-JulienChâteau Gruaud Laroseシャトー グリュオ・ラローズ
Saint-JulienChâteau Ducru Beaucaillouシャトー デュクリュ・ボーカイユ
MargauxChâteau Rauzan-Séglaシャトー ローザン・セグラ
MargauxChâteau Rauzan-Gassiesシャトー ローザン・ガシー
MargauxChâteau Durfort-Vivensシャトー デュルフォール・ヴィヴァン
MargauxChâteau Lascombesシャトー ラスコンブ
MargauxCantenacChâteau Brane-Cantenacシャトー ブラーヌ・カントナック

3級シャトー

AOCコミューン銘柄名読み方
MargauxChâteau Malescot St. Exupéryシャトー マレスコ・サン・テグジュペリ
MargauxChâteau Marquis d’Alesme Beckerシャトー マルキ・ダレム・ベッカー
MargauxChâteau Kirwanシャトー キルヴァン
MargauxChâteau d’Issanシャトー ディッサン
MargauxChâteau Boyd-Cantenacシャトー ボイド・カントナック
MargauxChâteau Cantenac-Brownシャトー カントナック・ブラウン
MargauxChâteau Desmirailシャトー デミライユ
MargauxChâteau Ferrièreシャトー フェリエール
MargauxChâteau Palmerシャトー パルメ
MargauxLabardeChâteau Giscoursシャトー ジスクール
Haut-MédocLudonChâteau La Laguneシャトー ラ・ラギューヌ
Saint-EstèpheChâteau Calon-Ségurシャトー カロン・セギュール
Saint-JulienChâteau Lagrangeシャトー ラグランジュ
Saint-JulienChâteau Langoa Bartonシャトー ランゴア・バルトン

4級シャトー

AOCコミューン銘柄名読み方
Saint-EstèpheChâteau Lafon-Rochetシャトー ラフォン・ロシェ
PauillacChâteau Duhart-Milon Rothschildシャトー デュアール・ミロン・ロートシルト
Saint-JulienChâteau Saint-Pierreシャトー サン・ピエール
Saint-JulienChâteau Talbotシャトー タルボ
Saint-JulienChâteau Branaire-Ducruシャトー ブラネール・デュクリュ
Saint-JulienChâteau Beychevelleシャトー ベイシュヴェル
MargauxChâteau Marquis de Termeシャトー マルキ・ド・テルム
MargauxCantenacChâteau Pougetシャトー プージェ
MargauxChâteau Prieuré-Lichineシャトー プリュレ・リシーヌ
Haut-MédocSaint-LaurentChâteau La Tour Carnetシャトー ラ・トゥール・カルネ

5級シャトー

AOCコミューン銘柄名読み方
Saint-EstèpheChâteau Cos Laboryシャトー コス・ラボリ
PauillacChâteau Pontet-Canetシャトー ポンテ・カネ
PauillacChâteau Batailleyシャトー バタイエ
PauillacChâteau Haut-Batailleyシャトー オー・バタイエ
PauillacChâteau Grand-Puy-Lacosteシャトー グラン・ピュイ・ラコスト
PauillacChâteau Grand-Puy-Ducasseシャトー グラン・ピュイ・デュカス
PauillacChâteau Lynch-Bagesシャトー ランシュ・バージュ
PauillacChâteau Lynch-Moussasシャトー ランシュ・ムーサ
PauillacChâteau d’Armailhacシャトー ダルマイヤック
PauillacChâteau Haut-Bages-Libéralシャトー オー・バージュ・リベラル
PauillacChâteau Pédesclauxシャトー ペデスクロー
PauillacChâteau Clerc-Milonシャトー クレール・ミロン
PauillacChâteau Croizet-Bagesシャトー クロワゼ・バージュ
MargauxLabardeChâteau Dauzacシャトー ドーザック
MargauxArsacChâteau du Tertreシャトー デュ・テルトル
Haut-MédocSaint-LaurentChâteau Belgraveシャトー ベルグラーヴ
Haut-MédocChâteau de Camensacシャトー ド・カンサック
Haut-MédocMacauChâteau Cantemerleシャトー カントメルル

メドック地区には、クリュ・ブルジョワ(Crus Bourgeois)とクリュ・アルティザン(Crus Artisans)という独自の格付けも存在します。

クリュ・ブルジョワ(Crus Bourgeois)

クリュ・ブルジョワは、1855年の格付けに漏れたメドックのシャトーを対象にした格付けで、1932年にボルドー商工会議所とジロンド県の農業会議所の権威のもと発表されました。しかし、2003年に発表された格付けの審査の公正さに異論が噴出し、2007年にはボルドーの行政控訴院がこの格付けを無効とする判決を下しました。その後、シャトーのオーナーたちが「メドック・クリュ・ブルジョワ連盟」を発足し、格付けではなく一つの認定名称として復活させました。審査は毎年行われ、2年前のヴィンテージに認定されたシャトーが毎年9月に発表されます。

クリュ・アルティザン(Crus Artisans)

クリュ・アルティザンは、1855年の格付け当時から存在する概念で、職人(アルティザン)が片手間に作っていたワインが起源です。2006年の省令で44の生産者が認定され、5年ごとに見直しが行われています。現在、33の生産者がクリュ・アルティザンとして認定されています。

セカンド・ワイン(Second Wine)

セカンド・ワインは、メインラベルの水準に達していないワインを別ラベルでリリースするもので、一級シャトーのセカンドワインとして知られる「パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー(Pavillon Rouge du Château Margaux)」などがあります。セカンド・ワインは、樹齢が若い区画のブドウや条件的に劣る区画のブドウが用いられることが多く、熟成中の試飲によって格下げされたワインがセカンドにブレンドされることもあります。

メドック地区の豊かなワイン生産文化は、これらの多様な格付けシステムと長い歴史によって支えられています。次に、グラーヴ地区の特徴について詳述します。

グラーヴ地区

グラーヴ地区は、ボルドー市の南側、ガロンヌ川の左岸を北西から南東に伸びる産地です。この地域は、オーメドック同様にガロンヌ川が運んできたギュンツ氷期の砂利に覆われており、この砂利が「グラーヴ」の名前の由来となっています。

以下に、グラーヴ地区のAOCとその特徴をまとめた表を示します。

名称タイプ特徴
グラーヴ (Graves)赤、白砂利質の土壌でカベルネ・ソーヴィニョンやメルロが栽培される。
グラーヴ・シュペリュール (Graves Supérieures)甘口白グラーヴの上位AOCで、主に甘口白ワインが生産される。
ペサック・レオニャン (Pessac-Léognan)赤、白グラーヴ地区の北部に位置し、エレガントなワインが特徴。

グラーヴの格付け

グラーヴ地区の格付けは、1953年に発表され、1959年に承認されました。この格付けでは、16のシャトーがリストに列挙されており、全てのAOCはペサック・レオニャンに属しています。グラーヴの格付けは、等級はなく、コミューン名とシャトー名、ワインのタイプによって分類されています。

以下はグラーヴ地区の格付けシャトーの一覧です。

コミューン銘柄名ワインのタイプ読み方
PessacChâteau Haut-Brionシャトー オーブリオン
Château Pape Clémentシャトー パプ・クレマン
LéognanChâteau de Fieuzalシャトー ド・フィューザル
Château Haut-Baillyシャトー オー・バイイ
Château Carbonnieux赤、白シャトー カルボニュー
Château Malartic-Lagravière赤、白シャトー マラルティック・ラグラヴィエール
Château Olivier赤、白シャトー オリヴィエ
Domaine de Chevalier赤、白ドメーヌ・ド・シュヴァリエ
MartillacChâteau Smith Haut-Lafitteシャトー スミス・オー・ラフィット
Château Latour Martillac赤、白シャトー ラトゥール・マルティヤック
CadaujacChâteau Bouscaut赤、白シャトー ブスコー
TalenceChâteau La Mission Haut-Brion赤、白シャトー ラ・ミッション・オー・ブリオン
Château La Tour Haut-Brionシャトー ラ・トゥール・オー・ブリオン
PessacChâteau Laville Haut-Brionシャトー ラヴィーユ・オー・ブリオン
Villenave d’OrnonChâteau Couhinsシャトー クーアン
Château Couhins-Lurtonシャトー クーアン・リュルトン

サンテミリオン地区

サンテミリオン地区は、ドルドーニュ川右岸に広がるワイン産地で、その中心にはサンテミリオンの町があります。この地域の土壌は、石灰岩を母岩にもつ粘土石灰質で、主にメルロが栽培されています。母岩とは、表土の下にある土壌のことを指します。

以下に、サンテミリオン地区のAOCとその特徴をまとめた表を示します。

名称タイプ特徴
サンテミリオン (Saint-Émilion)サンテミリオン全体をカバーし、最大収量や最低アルコール度数を厳しく定めたAOC。
サンテミリオン・グラン・クリュ (Saint-Émilion Grand Cru)最大収量や最低アルコール度数をAOCサンテミリオンより厳しく定めたもの。
ルスサック・サンテミリオン (Lussac Saint-Émilion)サンテミリオン衛星地区の一つで、赤ワインのみ生産。
モンターニュ・サンテミリオン (Montagne Saint-Émilion)バルバンヌ川を挟んで北側に位置し、赤ワインのみ生産。
サン・ジョルジュ・サンテミリオン (Saint-Georges Saint-Émilion)サンテミリオン衛星地区に属し、赤ワインのみ生産。
ピュイスガン・サンテミリオン (Puisseguin Saint-Émilion)サンテミリオン衛星地区に属し、赤ワインのみ生産。

サンテミリオンには、バルバンヌ川を挟んで北側にサンテミリオン衛星地区と呼ばれる4つのAOCがあり、全て赤ワインのみを生産しています。

サンテミリオンの格付け

サンテミリオンの格付けは、1855年のメドックの格付けから100年後に実施されました。この格付けの特徴は、10年ごとに見直される点です。サンテミリオンの格付けは、以下の3階級に分類されます。

  • 第一特別級A(プルミエ・グラン・クリュ・クラッセA)
  • 第一特別級B(プルミエ・グラン・クリュ・クラッセB)
  • 特別級(グラン・クリュ・クラッセ)

2022年に発表された最新の格付けで、最高位のプルミエ・グラン・クリュ・クラッセAに認定されたシャトーは以下の2つです。

  • シャトー・フィジャック(Château Figeac)
  • シャトー・パヴィー(Château Pavie)

ポムロール地区

ポムロール地区は、サンテミリオンの北西部に隣接する小さな産地です。メルロが80%を占めるこの地域では、粘土に含まれる酸化鉄の影響で、熟成が進むと官能的なフレーバーが醸し出されます。純粋な粘土質土壌は小高い丘の頂点に位置するペトリュスの畑に限られます。

名称タイプ特徴
ポムロール (Pomerol)バルバンヌ川を挟んで南に位置する。
ラランド・ド・ポムロール (Lalande-de-Pomerol)バルバンヌ川を挟んで北に位置する。

ポムロールには格付けはありませんが、秀逸なシャトーが数多く存在しており、世界的にも人気の産地です。

フロンサデ地区

フロンサデ地区は、ドルドーニュ川の右岸に位置し、ポムロールとはイル川を挟んで西に位置する産地です。この地域の特徴は、モラス・デュ・フランサデと呼ばれる軟質砂岩が混じる粘土石灰質の土壌です。

名称タイプ特徴
フロンサック (Fronsac)
カノン・フロンサック (Canon Fronsac)

フロンサデ地区では、メルロ主体の赤ワインが生産されています。

コート地区

コート地区は、ガロンヌ川、ドルドーニュ川、ジロンド川の3本の川沿いに点在する産地です。コート(丘)の名の通り、丘陵地帯に位置しています。

名称タイプ特徴
コート・ド・ボルドー (Côtes de Bordeaux)ガロンヌ川右岸に位置する。
カディヤック・コート・ド・ボルドー (Cadillac Côtes de Bordeaux)ガロンヌ川右岸に位置する。
カスティヨン・コート・ド・ボルドー (Castillon Côtes de Bordeaux)ドルドーニュ川右岸に位置する。
フラン・コート・ド・ボルドー (Francs Côtes de Bordeaux)赤・白(辛・甘)ドルドーニュ川右岸に位置する。
サン・フォア・コート・ド・ボルドー (Saint-Foy Côtes de Bordeaux)赤・白(辛・甘)ドルドーニュ川右岸に位置し、アントルドゥメール地区の最東端に位置する。
ブライ・コート・ド・ボルドー (Blaye Côtes de Bordeaux)赤・白(辛)ジロンド川右岸に位置する。
コート・ド・ブライ (Côtes de Blaye)辛白フライ・コート・ド・ボルドーエリアで生産規定はこちらの方が厳しい。
コート・ド・ブール (Côtes de Bourg)赤・白(辛)ドルドーニュ川とジロンド川左岸に位置する。

コート地区のAOCは、名前が似ていてタイプが異なるため、試験に出やすいです。

アントルドゥメール地区

アントルドゥメール地区は、ガロンヌ川とドルドーニュ川に挟まれた広大な産地です。辛口白ワインが有名です。

名称タイプ特徴
アントル・ドゥ・メール (Entre-Deux-Mers)赤・白(辛)この地区を代表するAOC。
アントル・ドゥ・メール・オー・ブノージュ (Entre-Deux-Mers-Haut-Benauge)辛白2つのAOCは同一生産地域。
ボルドー・オー・ブノージュ (Bordeaux-Haut-Benauge)辛白・甘白2つのAOCは同一生産地域。
プルミエール・コート・ド・ボルドー (Premières Côtes de Bordeaux)甘白赤は2009年よりカディヤック・コート・ド・ボルドーを名乗る。
カディヤック (Cadillac) / ルーピアック (Loupiac) / サント・クロワ・デュ・モン (Sainte-Croix du Mont)甘白3つのAOCは、ガロンヌ川右岸で、対岸にはソーテルヌ、バルサックが位置する。
コート・ド・ボルドー・サン・マカイアー (Côtes-de-Bordeaux Saint-Macaire)辛白・甘白ガロンヌ川右岸に位置する。
グラーヴ・ド・ヴァイール (Graves de Vayres)辛白・甘白この地区北西部、ドルドーニュ川左岸に位置する。

アントルドゥメール地区のカディヤック、ルーピアック、サントクロワデュモンは甘口ワインが生産されており、対岸にはソーテルヌとバルサックがあります。

ソーテルヌ・バルサック地区

ソーテルヌ・バルサック地区は、グラーヴ地区の南、ガロンヌ川の左岸に位置し、支流のシロン川を挟んで広がっています。ここでは、ボトリティス・シネレア菌がブドウ畑に広がり、貴腐ブドウから極甘口ワインが造られます。

名称タイプ特徴
ソーテルヌ (Sauternes)甘白ソーテルヌ、バルサック、ボム、ファルグ、プレニャックの5か村に認められる。
バルサック (Barsac)甘白「バルサック」または「ソーテルヌ」どちらかのAOCを名乗ることができる。
セロン (Cérons)甘白バルサックの北に位置するセロンス、イラ、ポテラックの3か村に認められる。

ソーテルヌ・バルサック地区の格付けは、1855年の格付けで、白ワインはこの地区のものが対象となります。1級にはプルミエクリュに10シャトー、2級にはドゥジェムクリュに11シャトーが選出され、その後分割を経て現在は27シャトーが存在します。1級のさらに上にプルミエクリュシュペリュールがあり、シャトー・ディケム(Château d’Yquem)がこれに該当します。

Premier Cru Supérieur

AOCコミューン銘柄名読み方
SauternesSauternesChâteau d’Yquemシャトー ディケム

1級

AOCコミューン銘柄名読み方
SauternesSauternesChâteau Guiraudシャトー ギロー
BommesChâteau La Tour Blancheシャトー ラ トゥール ブランシュ
BommesChâteau Lafaurie-Peyragueyシャトー ラフォリー ペラゲイ
BommesChâteau Clos Haut-Peyragueyシャトー クロ オー ペラゲイ
BommesChâteau de Rayne Vigneauシャトー ド レーヌ ヴィニョー
BommesChâteau Rabaud-Promisシャトー ラボー プロミス
BommesChâteau Sigalas Rabaudシャトー シガラ ラボー
PreignacChâteau Suduirautシャトー スデュイロー
FarguesChâteau Rieussecシャトー リューセック
BarsacBarsacChâteau Coutetシャトー クーテ
BarsacChâteau Climensシャトー クリマン

2級

AOCコミューン銘柄名読み方
SauternesSauternesChâteau d’Archeシャトー ダルシュ
SauternesChâteau Filhotシャトー フィヨ
SauternesChâteau Lamotheシャトー ラモット
SauternesChâteau Lamothe-Guignardシャトー ラモット ギニャール
PreignacChâteau de Malleシャトー ド マル
FarguesChâteau Romerシャトー ロメール
FarguesChâteau Romer du Hayotシャトー ロメール デュ ハイオ
BarsacChâteau Doisy Daëneシャトー ドワジ デーヌ
BarsacChâteau Doisy-Védrinesシャトー ドワジ ヴェドリーヌ
BarsacChâteau Caillouシャトー カイユー
BarsacChâteau de Myratシャトー ド ミラ
BarsacChâteau Suauシャトー スー
BarsacBarsacChâteau Doisy-Dubrocaシャトー ドワジ ドゥブロカ
BarsacChâteau Broustetシャトー ブルステ
BarsacChâteau Nairacシャトー ネラック

ソーテルヌ地区の代表的な1級シャトーには、バルサックのシャトー・クーテ(Château Coutet)、シャトー・クリマン(Château Climens)、ソーテルヌのシャトー・ギロー(Château Guiraud)があります。他のシャトーもAOCがソーテルヌで、コミューンは異なります。

以上が、ボルドーの各ワイン産地の特徴です。

5.まとめ

ボルドー地方のワインについて理解を深めることは、試験対策の重要な一環です。ボルドーは多様なワイン産地で、それぞれの地区が独自の特徴を持っています。メドック地区のカベルネ・ソーヴィニョン主体の赤ワイン、サンテミリオン地区のメルロ中心のワイン、グラーヴ地区の赤・白ワイン、そしてソーテルヌ・バルサック地区の貴腐ワインなど、各地区の特徴を把握しておくことが必要です。

また、格付け制度も重要なポイントです。1855年のメドックの格付け、サンテミリオンの10年ごとの格付け、ソーテルヌ・バルサックの白ワインの格付けについて、しっかり理解しておきましょう。各格付けシャトーの名前と特徴を覚えることで、試験において大きなアドバンテージとなります。

試験では、ボルドーの地域ごとのAOCや格付けを問われることが多いため、地域ごとの特徴と主要なシャトーの名前を押さえ、テイスティングの際にもその知識を活かせるようにしましょう。ボルドー地方のワインについての知識をしっかり身につけ、試験に臨んでください。


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