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【2024年最新】ソムリエ、ワインエキスパートを目指す方のための対策ブログ【第2回/ブドウと栽培】<ソムメモ>

【2024年最新】ソムリエ、ワインエキスパートを目指す方のための対策ブログ【第2回/ブドウと栽培】<ソムメモ>

はじめに

ソムリエ、ワインエキスパートの資格を目指す皆さん、ワインをもっと知りたいと思うワインラバーの皆さん、本ページをご覧いただきありがとうございます。ワインスクールで現役のソムリエの育成にも携わっているソムリエのakihoと申します。

資格試験の合格は、単に知識を暗記するだけでなく、ワインに対する深い理解と情熱が求められます。今回は本ブログシリーズの第2回目として、「ワイン概論」特にワインの原料であるブドウを取り上げ、ソムリエ試験における基礎知識から応用知識まで、幅広くカバーします。ブドウ属について、生育について、栽培について、仕立てについて、病害について詳細に解説します。このシリーズが、試験準備はもちろんのこと、ワインの魅力を再発見するきっかけとなることを願っています。


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ブドウとは

ブドウ属の主要な種

ブドウの生育と環境

ブドウの部位
ブドウの生育過程(北半球)
栽培作業

栽培に関する条件

ブドウ品種の選抜

仕立て

生理障害

ブドウ病害

カビ(糸状菌類)
バクテリア(細菌)
その他の病虫害

まとめ

ブドウとは

ブドウは、その多様な品種と用途で世界中の多くの人々に愛されています。この冬季落葉性のつる性植物は、特にワイン醸造において重要な役割を果たしています。ブドウの品種には様々な特性があり、それぞれが独自の風味と特徴を持っています。今日は、ブドウ属の中でも特に重要な種類と、その特徴に焦点を当ててみたいと思います。

ブドウ属の主要な種

欧中東系種

ヴィティス・ヴィニフェラ (Vitis vinifera)
この種はワイン醸造に最も適しているとされ、世界のワイン産業を支える基盤となっています。ヴィニフェラ種には1000品種以上が存在し、その中から約100品種が実際のワイン醸造に使用されています。ただし、この種はフィロキセラという害虫に対する耐性がほぼありません。フィロキセラはブドウの根を攻撃し、植物を枯死させる可能性があります。フィロキセラについては後述します。

北米系種

ヴィティス・ラブルスカ (Vitis labrusca):
この種は「フォキシー フレーバー」と呼ばれる独特の香りを持ち、いちごキャンディのような甘い香りが特徴です。
北米系種はこのほかにも、
ヴィティス・リパリア (Vitis riparia)
ヴィティス・ルペストリス (Vitis rupestris)
ヴィティス・ベルランディエリ (Vitis berlandieri)

などのような種が有名です。

アジア系種

ヴィティス・コワニティ (Vitis coignetiae)
ヴィティス・アムレンシス (Vitis amurensis)

交配と交雑

ブドウの品種改良には、主に交配と交雑が用いられます。交配は同じ種同士の掛け合わせであり、例えばヴィティス・ヴィニフェラ同士を掛け合わせることがこれに該当します。一方で交雑は異なる種を掛け合わせることを指し、例えばヴィティス・ヴィニフェラとヴィティス・リパリアを掛け合わせることが可能です。これにより、新しい特性を持つ品種が生み出されることがあります。

ブドウの生育と環境

ブドウの部位

ブドウの各部位についての理解は、ワイン製造や果実の品質管理において非常に重要です。ブドウの主要な部位とそれぞれに含まれる成分を、英語およびフランス語の用語と共に見ていきましょう。

蠟質

英語: Bloom
フランス語: Pruine
主な成分: 酵母

果肉

英語: Pulp
フランス語: Pulpe
含まれる物質: 酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、ブドウ糖

果汁

英語: Juice
フランス語: Jus
含まれる物質: 酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、ブドウ糖

種子

英語: Seed
フランス語: Pépin
主な成分: タンニン

果皮

英語: Skin
フランス語: Pellicule
含まれる物質: アントシアニン類、フラボノイド、リスベラトロール

英語: Stem
フランス語: Pédicelle

さらに、ブドウの果皮の内側は糖度が高く種子の間は最も酸が高い部分とされています。これらの部位ごとの特性を把握することで、ブドウの栽培からワイン製造に至るまで、より精密なアプローチが可能になります。

ブドウの生育過程(北半球)

北半球におけるブドウの生育過程は、季節に応じた様々な段階を経ています。ここではそれぞれの月にどのような活動が見られるのか、そのフランス語と英語の専門用語と共に見ていきましょう。

11月~3月:
休眠期間。この時期は気温が10°C程度に下がり、地上部の活動が停止します。

3月:
樹液の溢出(Sap bleeding / Pleurs)

4月:
萌芽(Budburst / Débourrement)
展葉(Leaf growth / Feuillaison)

5月:
花序と花芽の形成(Inflorescence / Bourgeon à fleurs)

6月:
開花(Flowering / Floraison)
結実(Fruit set / Nouaison)

7月-8月:
着色(Veraison / Véraison)

8月-9月:
成熟(Ripening / Maturité)

栽培作業

また、各成長段階において重要な栽培作業も行われます。

11月-12月:
土寄せ(Hilling / Buttage, Apports de terre)

1月-3月:
剪定(Pruning / Taille)

4月:
畝くずし(Dehilling / Débuttage)

6月:
新梢の固定(Tying / Accolage)
夏季剪定(Summer Pruning / Rognage)

9月-10月:
収穫(Harvest / Vendange)

開花から収穫までは約100~110日が必要です。収穫方法としては、手摘みが主流であり、傷み防止や選果の精度、機械では収穫できない場所でも対応可能な点が長所ですが、熟練者の確保の困難さ、作業時間の長さ、労働コストの高さが短所として挙げられます。このようにブドウ栽培は非常に複雑で、季節ごとの注意深い管理が求められるのです。

栽培に関する条件

ワイン用ブドウの栽培には様々な条件が必要になります。順番に条件を見ていきましょう。

気温:
最初に考えるべきは気温です。ブドウ栽培に適した温度は10℃〜16℃で、年間平均で9℃以上が理想的です。開花期には15℃から25℃が求められ、着色期や成熟期には20℃から25℃が必要です。特に成熟期には日中と夜間の温度差がある方が望ましいとされています。

緯度:
次に緯度の条件です。ワイン用ブドウは、北半球では北緯30度から50度、南半球では南緯30度から50度の地域が主な生産地です。しかし、近年の温暖化の影響で、これらの緯度帯も変化しつつあります。

日照:
日照時間も重要な要素です。生育期間中には1000から1500時間の日照が必要とされ、光合成による糖の生成には十分な日照量と適切な気温が不可欠です。

水分:
水分条件については、年間降水量が500mmから900mmが理想的ですが、開花期や結実後、収穫期に過度な降雨は避けたい時期です。これらの時期に雨が多すぎると、根が水を過剰に吸収し、植物の成長が果実の成熟プロセスに影響を与えるためです。

土壌:
土壌の条件は、ブドウの生育に適した水分や栄養を供給し、品質に大きく影響します。最も適したのは痩せた砂利や礫質土壌で、これによりブドウ樹の成長が抑えられ、果実の品質が向上します。実際には多様な土壌が存在し、その土壌によってワインのスタイルも変わります。

標高:
最後に標高ですが、一般的に標高が100m上がるごとに気温は約0.6°C低下します。標高はワインの品質に直接影響を与え、温暖化の影響で低地よりも高地での栽培が増えています。標高が高い地域では、気温や日照量との関連も重要ですが、一概にどの標高が最適とは言えませんが、その影響は理解しておくことが重要です。

ブドウ品種の選抜

ブドウの栽培において、品種の維持と選抜は非常に重要です。一般的な植物の増殖方法として種子から子孫を残す方法がありますが、ブドウの場合は挿し木が主に用いられます。なぜなら、種子を使った増殖では他品種の花粉がめしべに付着することで、全く異なる性質を持つ実生苗が生じるリスクがあるからです。このように性質が異なるブドウが同じ畑に混在すると、収穫のタイミングが異なり、ワイン製造に適したブドウを得ることが難しくなります。

挿し木による増殖は、親株の枝を使用するため、生成される苗は親株と同じ遺伝子を持つことになります。このようにして得られる遺伝的に同一の苗を「クローン」と呼びます。ワイン用ブドウの生産においては、多くのクローンが存在し、それぞれに特徴があります。例えば、シャルドネやピノノワールなどの有名なブドウ品種にも、さまざまなクローンがあり、同じ品種内でもクローンによって微妙な個性の違いが見られます。

クローンの特徴を全て覚える必要はありませんが、ワイン用ブドウがどのようにして選抜され、優れたクローンが日々選ばれているかは重要な知識です。クローン技術によって、ワイン製造に最適なブドウの品質を保つことが可能になり、これがワインの多様性と品質向上に寄与しています。

仕立て

ブドウの仕立て方には、いくつかの一般的な方法がありますが、図解を参照することも重要です。ここでは、特に広く採用されている技術をいくつか紹介します。

【垣根仕立て】
世界中のブドウ栽培地域、特にボルドー、ブルゴーニュ、ドイツ、イタリアでよく見られる垣根仕立ては、主に以下の三つの剪定方法に分かれます。

1.長梢剪定
この中で特に有名なのが、19世紀のフランスの植物学者ジュール・ギヨ(Jules Guyot)博士によって広められたギヨ式剪定法です。ギヨ ドゥブル(Guyot Double)では、左右に長梢を1本ずつ水平に誘引し、ギヨ サンプル(Guyot Simple)では、長梢1本と短梢1本から成り立ちます。

2.短梢剪定
コルドン ロワイヤ(Cordon Royat)は短梢剪定で、ギヨ式剪定法で長梢から伸びた結果枝を2芽の短梢として残す方法です。

3.ボーゲン
左右に弧状に取った長梢2本と2〜3本の短梢を残す方法です。

【棒仕立て】
主にモーゼルや北部ローヌの急斜面で採用される棒仕立ては、左右から取った2本の長梢をハート型に誘引します。針金が使えない場面で効果的なこの方法は、栽培者の作業効率を高めます。

【株仕立て】
英語では “Head training” や “Bush training”、フランス語では “Gobelet” と呼ばれるこの方法では、新梢を針金や棒に固定しません。南フランス、スペイン、ポルトガルの乾燥地で多用され、結果枝の過剰な伸長を防ぐ特徴があります。

【棚仕立て】
英語で “Overhead vine training”、フランス語で “Pergola” と称される棚仕立ては、降雨が多い日本や日差しが強いイタリア、ポルトガルの一部、エジプトなどで採用されています。この仕立ては、ブドウ果実が目の高さにあり、細かい手入れが可能で、生食用ブドウに適しています。

以上のように、ブドウの仕立て方は栽培地の気候や地形に適応して多様です。それぞれの方法がブドウの成長や品質にどのように影響するかを理解することが重要です。

生理障害

ブドウ栽培において、果実の生産と品質に大きな影響を及ぼす生理障害について解説します。特に「花振い」と「ミルランダージュ」という二つの障害は、栽培者にとって重要な課題です。

花振い(花流れ)
英語では “Coulure” または “Shatter“、フランス語では “Coulure” と呼ばれるこの現象は、ブドウの花穂に多数の小花がつき、通常はそれらの20~60%が実際に結実し果粒として成長します。しかし、受粉や結実が不十分な場合、落果が発生し、結果として果房に果粒が極端に少なくなることがあります。この状態が「花振い」とされています。

花振いの主な原因には以下が含まれます:
・若木や樹勢の強い結果枝の存在
・窒素過多
・強剪定
・開花結実期の低温で花粉管が伸びない
・多雨による受粉不良
・ホウ素欠乏
これらの条件が重なると、ブドウの果実形成に重大な障害が生じる可能性があります。

ミルランダージュ
花粉による受精が行われず、単為結果(種なし果実)が多く生じた場合、果粒は肥大せずに小粒のまま成熟することがあります。この状態を「ミルランダージュ」といい、特にブドウ品種や栽培条件によって影響を受けやすいことが知られています。

これらの生理障害は、栽培技術や環境管理の工夫により予防や軽減が可能です。例えば、適切な栄養管理や剪定技術の改善、開花期の気象条件への対策などが考えられます。

生理障害はブドウの品質と収量に直接影響するため、これらの状態を理解し、適切な対策を講じることが重要です。花振いが少ない果粒の状態を示し、ミルランダージュが小さい果粒のままの状態を指すことを覚えておくと、これらの障害を識別しやすくなります。

ブドウ病害

カビ(糸状菌類)

ブドウ栽培において、病害の把握とその防除策は極めて重要です。ここでは、主要なブドウの病害とその防除策を詳しく説明します。それぞれの病害について、病害の名称、原因となる病原菌、発生の背景、そして防除策をセットで学び、覚えることが推奨されます。

ベト病 (Downy mildew / Mildiou)
病原菌: プラズモパラ・ビチコラ
特徴: 1878年にヨーロッパで最初の被害が確認されたこの病害は、湿度の高い地域で花や葉、果実に白いカビ状の胞子を形成し、落花、落葉、落果の原因となります。
防除策: ボルドー液(硫酸銅と生石灰の混合水溶液)の散布。

灰色カビ病 (Gray mold / Pourriture grise)
病原菌: ボトリティス・シネレア
特徴: 高湿度下での花穂、葉、果房の感染で灰色のカビが発生。貴腐(Noble rot)として知られ、甘口ワインの原料にもなります。
防除策: イプロジオン水和剤などの農薬使用。

ウドンコ病 (Powdery mildew / Oïdium)
病原菌: エリシフェ・ネカトル
特徴: 白い粉状の胞子で覆われた果粒は、成長の妨げを受け、裂開やミイラ化、腐敗の原因となります。
防除策: 開花時の硫黄含有農薬散布、ベンレートによる殺菌。

晩腐病 (Ripe rot)
病原菌: グロメレラ・シングラータ
特徴: 完熟期に最大の被害をもたらすこの病害は、果実の軟化から始まり、次第に腐敗・ミイラ化します。
防除策: 罹病した結果母枝や巻きひげを園内から取り除き、休眠期にベンレート等の散布。

エスカ (ESCA)
特徴: 古くからある病害で、剪定時の傷口から感染が広がります。生育期には葉脈を残して色変化が起こり、枯れ落ちます。
防除策: 効果的な対策法はまだ確立されていないが、感染拡大の注意が必要です。

エスコリオーズ (Excoriose)
病原菌: フォモプシス・ヴィティコラ
特徴: 前年に感染したカビが翌年の枝に増殖し、枝が瘡蓋状になることが特徴です。
防除策: 感染した枝を冬間に燃やし、新たな枝への感染を防ぐ。

バクテリア(細菌)

根頭癌腫病 (クラウン ゴール Crown gall)
病原菌: リゾビウム・ラジオバクター (Rhizobium radiobacter)
症状: 土壌細菌がブドウの組織に感染し、こぶ状の塊を形成。こぶが大きくなると栄養の移動が妨げられ、最終的には樹が枯れる。
感染経路: 樹の傷から感染し、特に冬の低温による割れ目からの感染が多い。
防除策: 現在のところ、具体的な化学的防除法は確立されていませんが、感染リスクを減らすために剪定ツールの消毒や樹木の傷口の管理が推奨されます。

ピアス病 (Pierce’s Disease)
病原菌: キシレラ・ファスティディオーザ (Xylella fastidiosa)
症状: シャープシューターと呼ばれるヨコバイ類がバクテリアを伝播。感染した樹は葉緑素を失い、早期落葉を引き起こし、数年で枯死する。
分布: 主にカリフォルニア南部やアメリカ南東部に広がっている。
防除策: ヨコバイの生息地管理や防除が主な戦略であり、感染した樹の早期発見と除去が重要です。

フラヴサンス・ドレ (Flavescence dorée)
病原菌: カンディダトゥス・フィトプラズマ・ヴィティス (Candidatus Phytoplasma vitis)
症状: スカフォイデウス・ティタヌスというヨコバイがバクテリアを伝播。白ブドウでは葉が黄色くなり、黒ブドウでは葉が赤くなる。ブドウ房が発育不全になり、樹が弱り枯死する。
分布: フランスをはじめヨーロッパ各地に広がっている。
防除策: ヨコバイの生息地の管理と防除、及び感染した樹の隔離や除去が推奨されます。

その他の病虫害

ウイルス病
確認されている種類: 現在約50種以上のブドウウイルス病が確認されています。

代表的な病気:
ブドウ・Leaf roll (葉巻病): 葉が巻くことが特徴で、樹の生育が抑制されます。
フレック (Fleck): 葉に小さな斑点が現れることが特徴です。
コーキーバーク (Corky bark): 幹や枝に異常な発達が見られ、成長障害を引き起こします。
防除策: ウイルスフリーの苗の使用、感染株の早期発見と除去が重要です。

Phylloxera(ブドウネアブラムシ)
歴史的影響: フィロキセラはヨーロッパのワイン産業にとって最も深刻な打撃を与えた病害で、19世紀には多くの銘醸畑が壊滅的な被害を受けました。
被害の特徴: ブドウの根に寄生し、根の機能を失わせることで全植物が枯死に至ります。
対策の歴史: フィロキセラに対する直接的な薬剤処理は困難であり、ヨーロッパ中で急速に広がりました。しかし、モンペリエ大学のジュール・エミール・プランション博士がアメリカ原産のVitis種(V.riparia、V.rupestris、V.berlandieri)にフィロキセラ耐性があることを発見しました。
現代の対策: 現在では、耐フィロキセラ性のアメリカ原産のブドウを台木として使用し、感受性のあるヨーロッパ品種を接ぎ木する方法が一般的です。これにより、フィロキセラの被害は大幅に軽減されています。

ブドウ栽培におけるこれらの病虫害は、適切な管理と予防措置を講じることで大きくその影響を軽減できます。ウイルス病に対しては、特に感染していない健康な苗の選定が重要であり、フィロキセラに対しては耐性のある台木の使用が最も効果的な対策とされています。これらの知識をもって、ブドウ栽培におけるリスクを最小限に抑え、安定した生産を目指しましょう。

これらの病害を理解し、適切な防除策を実施することで、健全なブドウ栽培が可能となります。

まとめ

ブドウはその多様な品種と広範囲な栽培地域により、世界中で愛されている果物の一つです。今回のブログではブドウの基礎知識から、生育環境、栽培技術、そして直面する病虫害まで、幅広くカバーしました。簡単におさらいをしておきましょう。

ブドウとは:
ブドウ属に分類される果実で、食用やワイン製造に広く利用されています。

ブドウ属の主要な種:
多種多様なブドウが存在し、それぞれ異なる気候や土壌条件で栽培されます。

ブドウの生育と環境:
ブドウの成長には特定の気候条件が求められ、適切な環境管理が不可欠です。

ブドウの部位と生育過程:
ブドウの各部位の機能と成長ステージを理解することが、効率的な栽培につながります。

栽培作業とブドウ品種の選抜:
適切な仕立て方と品種選択が、高品質なブドウ生産の鍵となります。

生理障害:
ブドウの生産において、栄養のバランスや水分管理が不適切な場合、生理障害が発生することがあります。

ブドウ病害:
ブドウ園では様々な病気が発生し、それらを管理することが収穫量と品質を保つために重要です。主な病害にはカビ(糸状菌類)、バクテリア(細菌)、およびその他の病虫害が含まれます。
カビ病は主に湿度が高い環境で問題となり、適切な防除策が必要です。
バクテリア病は植物の傷口から侵入しやすいため、剪定時の注意が必要です。
その他の病虫害、特にフィロキセラのような害虫は、過去にブドウ産業に大打撃を与え、現在も警戒が必要です。

今回のレッスンはここまでになります。次回から実際にワインを造る生産地を詳しく見ていきます!また次回のレッスンでお会いしましょう!


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