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ソムメモ【第4回 さまざまな醸造法】ソムリエ完全解説<2024年最新版>

ソムメモ【第4回 さまざまな醸造法】ソムリエ完全解説

はじめに

ソムリエ、ワインエキスパートの資格を目指す皆さん、ワインをもっと知りたいと思うワインラバーの皆さん、本ページをご覧いただきありがとうございます。ワインスクールで現役のソムリエの育成にも携わっているソムリエのakihoと申します。

資格試験の合格は、単に知識を暗記するだけでなく、ワインに対する深い理解と情熱が求められます。今回は本ブログシリーズの第4回目として、「ワインのさまざまな醸造法・処理工程」にフォーカスします。前回の3回目で解説をしたワイン醸造に加えて、実際の醸造の現場で用いられる様々な醸造法の解説を行います。醸造学に関する少し難しい内容も含まれますが、多様なワインがどうやって造られるのか、知るきっかけになれば幸いです。また、ワインを完成させる際に必要な工程も解説します。ワインを語る上では切っても切り離せないコルクについて主に解説を行います。解説このシリーズが、試験準備はもちろんのこと、ワインの魅力を再発見するきっかけとなることを願っています。


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発酵前(果汁や果醪)に行う醸造法

セニエ
マセラシオン ア ショー (M.P.C.)
フラッシュ デタント
M.P.F.
クリオエキストラクシオン
逆浸透膜
常温減圧濃縮

発酵中、発酵後(熟成)に行う醸造法

カルボニック マセレーション
コイノキュレーション
全房発酵
マセラシオン ア ショー (M.F.C.)
ミクロ オキシジェナシオン
シュール リー

安定化処理

清澄化処理
冷却処理

包装工程

包材 Dry Material
クロージャー(コルクなど)

まとめ

発酵前(果汁や果醪)に行う醸造法

セニエ

セニエ(Saignée)法は、赤ワインの製造過程で使用される技術で、果汁の一部を取り除くことで色と味わいを濃縮させる方法です。この技術により、残された果汁はより濃厚で風味豊かになります。また、取り除いた果汁はロゼワインの製造に使用されることが一般的です。

マセラシオン ア ショー (M.P.C.)

マセラシオン ア ショー(Macération à Chaud)は、果醪に熱を加える赤ワインの醸造法です。

M.P.C.(マセラシオン・プレフェルメンテール・ア・ショー)

Macération préfermentaire à chaudは、破砕後の果醪に熱を加えて70°C前後にし、一定時間保持することで、果皮からアントシアニン色素やタンニン分を抽出します。圧搾後、果汁を常温まで下げてから発酵させる醸造法です。この方法により、充分に色素が抽出された、タンニン分の少ない軽めの赤ワインが得られます。

種子からのタンニンはアルコール発酵が進んでいくと溶出が始まりますが、果皮からのアントシアニンは温度によって抽出されるため、発酵前に温度を上げることで色素成分だけをタンニンより相対的に多く抽出することができます。

フラッシュ デタント

フラッシュ デタント(Flash Détente)は、マセラシオン・ア・ショーの一種で、加熱したブドウの果粒を気圧を低く保った空間に送り出すことで、ブドウ果皮の細胞壁を破裂させて壊す方法です。これにより、果皮に含まれる色素とタンニン分が抽出しやすい状態になります。

処理後はブドウを冷やし、常温に戻してから圧搾します。果皮の構造を壊すことで、色素や香り成分などの果皮成分の抽出が良くなり、フルーティーで早く飲める赤ワインが得られます。

M.P.F.

M.P.F.(Macération Préfermentaire à Froid)は、マセラシオン・プレフェルメンテール・ア・フロワとも呼ばれ、コールド・マセラシオン(Cold Maceration)ともいいます。赤ワインの醸造において、ブドウを破砕後、発酵前の果醪に亜硫酸を添加し、一定期間(1週間から10日間程度)発酵が起きない低温(5〜15°C程度)で保持する方法です。

この技術により、ブドウの持つ酵素が働き、果実味のあるワインが得られます。通常の工程とタイミングをずらすことで、ワインのスタイルを変化させる技術です。

クリオエキストラクシオン

クリオエキストラクシオン(Cryo-extraction)は、氷果凍結圧搾とも呼ばれ、ドイツのアイス・ワインを人工的に行う圧搾法です。この方法では、ブドウ果房を-7°C以下の冷凍庫で冷却し、凍結果実を圧搾することで糖度の高い果汁を得ます。

アイスワインは、ブドウが樹になっている状態で、天然で凍るブドウから造られます。この方法は、水と果汁の融点の違いを利用しており、-7℃以下になると、水は凍っても糖分を含んでいる果汁は液体のままなので、この果汁だけを使うことで、より甘いワインに仕上げることができます。

逆浸透膜

逆浸透膜(Osmose Inverse)は、水は通すが、糖や酸などのより大きな分子は通さない濾過膜(半透膜)を用いて、ブドウ果汁から水を除き糖度や酸度を高めることができる方法です。この方法は濃縮の際、果汁の品温を上昇させる必要がないため、果汁を変性させずに濃縮できます。

ブドウ果汁を温めたり、冷やしたり、圧力を加えたりすると、少なからず目的以外の作用が起こることがあります。この方法では、そうしたこと(変性)をしないので、より自然に近い状態で、仕上がるワインを濃縮させることができます。

常温減圧濃縮

常温減圧濃縮(Vacuum Distillation / Concentration sous vide à basse température)は、真空容器内で果醪を減圧状態にすることで、常温で果醪から水分を蒸発させ、水を回収し、濃縮する方法です。

この方法は物理法則を利用しており、真空状態で圧力を下げることで、水の沸点を下げることができます。温度を高くまで上げる必要がないため、果醪の品質劣化が少なく、果汁の風味やアロマを保ちながら濃縮することができます。

具体的には、真空容器内で果醪を減圧状態にすることで、常温でも水分が蒸発します。この蒸発した水分を回収し、果醪を濃縮します。温度を高く上げないため、果醪の品質劣化を最小限に抑えられるのが特徴です。

発酵中、発酵後(熟成)に行う醸造法

カルボニック マセレーション

カルボニック・マセレーション(Carbonic Maceration)は、仏語ではマセラシオン・カルボニック(Macération Carbonique)と呼ばれ、ボージョレ・ヌーヴォーに用いられる醸造法です。この方法では、縦型の大きな密閉ステンレスタンクに収穫した黒ブドウを破砕せずにそのままいっぱいに詰め、二酸化炭素(炭酸ガス)気流中で数日置きます。

ガスの加え方には以下の方法があります:

  • 外から炭酸ガスを注入する方法
  • タンクに詰める間に一部のブドウが潰れ、その発酵により発生する炭酸ガスに頼る方法(ボージョレで採用)

この方法により、ブドウは果皮の細胞内で酵素反応が起こり、アントシアニン色素が抽出されやすい状態になります。また、この醸造法の特徴である、バナナの香りを思わせるエステル(酢酸イソアミル)が生まれます。

その後、このブドウを圧搾し、得られた醪液を白ワインと同様に発酵させると、ボージョレ・ヌーヴォーのようなフルーティな香りで、色の濃さのわりにタンニンによる渋味の少ないフレッシュな味の赤ワインが得られます。

この方法は、マセラシオン・カルボニックの略称でMC法ともいわれます。

コイノキュレーション

コイノキュレーション(Co-Inoculation)は、MLF(マロラクティック発酵)の手法の一種です。この方法では、アルコール発酵開始と同時に乳酸菌を添加し、アルコール発酵終了時にマロラクティック発酵も終了させます。

通常、ワインの醸造過程では、酵母によるアルコール発酵後に乳酸菌を追加し、マロラクティック発酵を起こします。しかし、コイノキュレーションでは、これらの工程を同時に行うことで、発酵プロセスを効率化し、時間を短縮します。

この手法により、酸味が和らぎ、ワインに滑らかな質感が加わると同時に、複雑な風味が得られるため、品質の向上が期待できます。

全房発酵

全房発酵(Whole Bunch Fermentation / Vendange Entière)は、主に赤ワインで用いられる醸造法で、除梗の工程を行わずに、果梗を果皮・種子とともに漬け込んで発酵させます。この方法では、ブドウを房のままタンクに入れることで、果実の粒と粒との間に適度な隙間が生まれ、空気が入り込みやすく、スムーズに発酵が進むというメリットがあります。

全房発酵は、ピノ・ノワールの醸造で行われることが多く、この方法により独特な香りが生まれ、ワインに複雑性が加わります。また、高品質なピノ・ノワールやシラーなどにも全房発酵が用いられることがあります。

ただし、全房発酵は、梗がしっかり熟していないと青臭い匂い(メトキシピラジン)がワインに移ってしまい、ネガティブな要素となります。梗まで熟すことができるポテンシャルを持つ産地や畑は限られているため、全てのブドウが全房発酵に適しているわけではありません。

一般的には、全房発酵を用いる際には、全てのブドウで行うのではなく、全房で発酵するブドウと除梗して発酵するブドウの比率を調整します。これにより、ワインのスタイルや風味を最適化することができます。

マセラシオン ア ショー (M.F.C.)

M.F.C.(Macération Finale à Chaud)は、マセラシオン・フィナル・ア・ショーとも呼ばれます。この方法は、アルコール発酵終了後、マロラクティック発酵が始まるまでの間に行われます。果醪中に果皮と種子が残っている状態で温度を30〜45°Cに上げ、一定期間保持する操作です。

この操作により、果皮や種子からの抽出を強めることができます。具体的には、温度を上げることで果皮や種子からの色素やタンニン、風味成分の抽出が促進されます。これにより、ワインのスタイルや風味が大きく変わることが特徴です。

例えば、温度を上げるタイミングによって、ワインのボディや構造、香りの複雑性が変化します。高品質な赤ワインの醸造において、ワインに深みと複雑さを加えるために、この技術が利用されます。

ミクロ オキシジェナシオン

ミクロ・オキシジェナシオン(Micro-Oxygénation)またはミクロ・ビュラージュ(Micro-bullage)は、1991年にフランス南西地方マディランの造り手、パトリック・デュクルノー(Patrick Ducournau)によって開発されました。この方法は、発酵中または貯蔵中の赤ワインに、多孔質のセラミックを通して酸素の微泡を吹き込む技術です。

このプロセスは、魚を飼う水槽に入れるポンプをイメージするとわかりやすいです。酸素を微細な泡としてワインに供給することで、以下の効果が得られます:

色素の安定化:酸素がポリフェノールと反応し、色素が安定します。

果醪またはワインが還元的になるのを防ぐ:酸素を供給することで、還元的な風味を防ぎます。

発酵遅延を防ぐ:発酵初期に酵母に酸素を供給することで、発酵が遅延するのを防ぎます。破砕直後のブドウ果汁やワインをボトリングする際には、酸化防止のために空気に触れさせない方が良いですが、発酵時には適度な酸素が必要です。醸造工程全てにおいて酸素が不要というわけではありません。

香りに熟成感をもたせる:酸素がワインの香りに熟成感を与えます。

口当たりを柔らかくする:ポリフェノールの酸化重合を促進し、ワインの口当たりを柔らかくします。

この技術により、ワインの品質が向上し、風味が豊かになるとともに、熟成過程をコントロールすることが可能になります。

シュール リー

シュール・リー(Sur Lie)は、「滓の上」という意味で、主にロワール地方のペイ ナンテ(Pays Nantais)地区で採用されている醸造法です。この方法では、発酵後に発酵で生じた酵母の滓を引かず、そのまま発酵槽の底に残します。その後、翌年の春以降に滓の上にあるワインの上澄みだけを取り出し瓶詰めを行います。

この技術により、滓からアミノ酸などの旨味成分が抽出され、味わいのある白ワインが得られます。滓の上で熟成させることで、ワインに豊かな風味と複雑な味わいが加わります。

日本でも、1980年代に甲州ワインでこの製法が導入され、現在は辛口甲州ワインのスタンダードとなっています。シュール・リー製法によって、甲州ワインはより深い味わいとバランスの取れた風味を持つようになりました。

安定化処理

清澄化処理

清澄化処理(Clarification / Clarification)は、発酵後、貯蔵中に定期的に滓引きを行った後、ベントナイト、卵白、カゼインなどを用いて滓下げを行います。このプロセスにより、ワイン中の微細な浮遊物が除去され、透明度が向上し、口当たりが滑らかになります。

冷却処理

冷却処理は、瓶詰後に酒石が大量に析出しないように、瓶詰前に行われます。温度を下げることで、酒石が結晶化し沈殿するため、これを取り除くことができます。こうすることで、ワインの品質が保たれます。

包装工程

包材 Dry Material

ガラス瓶:伝統的で一般的なワイン容器。

PET:軽量でリサイクル可能なプラスチック容器。

BIB(バックインボックス):プラスチック製の袋がボックス内にあり、ワインを出した分だけ袋が縮む構造。空気が入りにくく、スーパーや量販店でカジュアルワインに多く用いられています。

ガラス瓶はエネルギー消費削減の観点から見直されており、今後はさまざまな容器が増える可能性があります。ガラス瓶は製造時や輸送時に多くのCO2を消費するため、エコフレンドリーな代替品が注目されています。

クロージャー(コルクなど)

ワインの栓にはさまざまな種類があります:

天然コルク (Natural cork):コルク樫の樹皮から作られますが、一定の確率でコルク臭(ブショネ)のリスクがあります。ポルトガルとスペインが主要供給国ですが、適した樹齢のコルク樫が減少しています。

圧搾コルク:天然コルクを細かく砕き、合成樹脂などで成型したもの(例:ディアム DIAM)。

合成コルク:プラスチック素材などで成形されたコルク型のクロージャー(例:ノマコルク Nomacork)。

スクリューキャップ (Screw cap):キャップ内側にクッション材(ライナー)が挟まれている。オーストラリアやニュージーランドで多用されています(例:ステルヴァン Stelvin)。

ヴィノロック (Vinolok):ガラス製の栓で、イタリアやオーストリアで採用されることが多いです。

まとめ

ワインの醸造には、発酵前、発酵中、発酵後の各段階で多様な技術が用いられます。各技術はワインの風味、香り、質感に大きな影響を与えます。

発酵前の技術には、セニエ、マセラシオン ア ショー(M.P.C.)、フラッシュ デタント、M.P.F.、クリオエキストラクシオン、逆浸透膜、常温減圧濃縮が含まれます。これらの技術は、主に果汁や果醪から成分を抽出し、風味や糖度、酸度を調整することを目的としています。

発酵中、発酵後の技術には、カルボニック マセレーション、コイノキュレーション、全房発酵、M.F.C.、ミクロ オキシジェナシオン、シュール リーがあります。これらの技術は、発酵のプロセスを効率化し、ワインの品質や風味を向上させることを目的としています。

安定化処理には、清澄化処理と冷却処理があり、ワインの透明度と品質を保つために重要です。

包装工程では、さまざまな包材(ガラス瓶、PET、バックインボックス)とクロージャー(天然コルク、圧搾コルク、合成コルク、スクリューキャップ、ヴィノロック)が用いられます。これらはワインの保存性や輸送の効率化に大きな影響を与えます。

ワイン醸造の各段階で適切な技術を選択し、管理することで、ワインの品質を高め、その独自の風味と個性を引き出すことができます。未来のワイン造りには、エコフレンドリーな包装材の採用や、新しい技術の導入がますます重要になるでしょう。


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