オーストラリアワイン界のトップスター在籍のスーパーワイナリー【ショウ アンド スミス SHOW + SMITH】【ソムメモ】
ワイナリー解説
1989年、マイケル・ヒル・スミスMWと従弟で醸造家でもあるマーティン・ショウ氏が長年の夢であった自身のワイナリーを冷涼産地アデレード・ヒルズに設立しました。標高が高く、冷涼で降雨のあるアデレード・ヒルズは必ずエキサイティングなプレミアムワインを生みだす産地だと確信し、この地に適した品種として、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング、シャルドネ、ピノ・ノワール、シラーズに特化。
初ヴィンテージは1990年。1999年にバルハンナの畑を購入してブドウ樹の植樹を始め、同時にワイナリーとテイスティングルームを建設しました。2012年にはレンズウッド畑を新たに購入し、さらにタスマニア地方にトルパドル畑を購入し、オーストラリアの新時代にふさわしいスタイリッシュなワイン生産を行っています。
また、ショウ・アンド・スミスではサステーナブル・ワイングローイング・オーストラリアに加盟し環境に配慮した農法でブドウ栽培を行っています。また、オーガニック農法を取り入れておりオーガニック農法への転換にむけた取り組みを行っています。
今回は、アデレード ヒルズの「レンズウッド ヴィンヤード」とタスマニアの「トルパドル ヴィンヤード」のシャルドネとピノノワールを比較テイスティングコメントをご紹介します。
<レンズウッド ヴィンヤード>
1999-2001年植樹
シャルドネ:9.8ha ピノノワール:9ha
海抜350m-700m、降水量1015mm (ブルゴーニュ:海抜150-300m、降水量730mm)
土壌:珪岩と頁岩を下層にもつ赤色粘土の上に水捌けのよい砂質ローム
ロフティ山脈の上側に位置しており、標高が比較的高く、隣接する他の産地よりも降水量が多いのが特徴です。
ここではピノノワールを南向きの斜面に植えています。南向きに植えることで、日光を浴びせすぎないようにし、熟しすぎることなく、冷涼気候の特性をワインに反映しています。また、密植栽培をすることで、収量を落とし、ブドウのポテンシャルも高めています。
<トルパドル ヴィンヤード>
1988-1999年植樹
シャルドネ:13.38ha ピノノワール:10.3ha
海抜60m-100m、降水量500mm (ブルゴーニュ:海抜150-300m、降水量730mm)
土壌:砂岩の上に軽度のシリカ
ほぼフラットな標高で、年間降水量は極めて低く、非常に乾燥した気候になります。元々はドメーヌ シャンドン社がスパークリングワイン生産のために所有していた畑をショウ アンド スミスが高品質なスティルのシャルドネとピノノワールの生産のために購入しました。
オーストラリアではピノノワールに関して、MV6というクローンがメジャーに使用されていますが、ショウ アンド スミスではこれに限らず様々なクローンを栽培しており、どういった組み合わせ、産地特性があるかなど、日々研究を行っています。
テイスティングコメント
【2018年 ショウ アンド スミス / レンズウッド ヴィンヤード シャルドネ】
アデレードヒルズGI 12.5%
涼しいヴィンテージ
メイキングはシンプル
手摘みで全房プレス、新樽と古樽を用い野生酵母で発酵
濃いめのイエロー。
熟しながらもイキイキした酸(Natural Acid)を感じるカットアップルや黄桃の香り。
砕いたホワイトペッパーの香りがエレガントに感じる。
ハニーやパンのトースト香が程よく香り、アクセントになる。
ハリのある酸味にフレッシュな果実味のヴォリューム。
心地よい苦味とローストフレーバーが果実味と合わせてアフターに力強く感じる。
ピュアでクリーン。
【2021年 ショウ アンド スミス / トルパドル ヴィンヤード シャルドネ】
タスマニアGI 13.0%
全房圧搾、フレンチオーク発酵。
9ヶ月の樽熟成。
澱とともにタンク熟成。
グリーンのタッチを僅かに残すヴィヴィッドイエロー。
レモンの皮やカリンのような酸味と甘味を感じる香り。
レモンムースのような柔らかい質感の香りと、潮のようなミネラル感が特徴的。
パワフルなアタックから伸びやかな酸がストレートに流れる。
フルーツの旨味を存分に感じ、岩塩のような塩味のフィニッシュ。
【2021年 ショウ アンド スミス / ピノノワール】
アデレードヒルズGI 13.5%
手摘み、全房20%。
15日間マセラシオン、パンチョンで熟成。
淡めのパープル。
ラズベリー、ブルーベリーのフレッシュな香り。
若々しく、グラス(草)の香りがアクセントを与える。
口中ストレートに流れるスムースな酸味。やや荒めのタンニンがあり、発展性を感じる。
チャーミングでイージードリンキング。
【2018年 ショウ アンド スミス / レンズウッド ヴィンヤード ピノノワール】
アデレードヒルズGI 13.0%
Block 1 最も標高が高い。
手摘み、全房30% 全粒70%で発酵。
フレンチオークのパンチョン(500l)で10ヶ月熟成。
無濾過、無清澄。
鮮やかなパープルレッド。
レッドフルーツとブラックローズの香りが混在していて、ピュアでありかつ複雑。
香水のような芳香性の高さがある。
全房からのグリーンの香りがアクセントになりタルからの香りは極めて穏やか。
重たさはなくトップノーズが力強く感じ重心が高い。
リフレッシュで優しい酸。タンニンはシルキーでツヤ感がある。
ヴォリュームは穏やかでフレーバーにパフュームの華やかさが強く出ている。
上品でスタイリッシュ。
【2021年 ショウ アンド スミス / トルパドル ヴィンヤード ピノノワール】
タスマニアGI 13.5%
手摘み収穫、開放型発酵槽で全房、全粒発酵。
フレンチオークで9ヶ月熟成。新樽比率1/3。
深みのあるパープルレッド。
ダークベリーやポイズンベリーなどの野生的な香りがトップノーズを貫く。
フェンネル、ルバーブ、カンパリなど香草の香りが個性ある複雑性を形成する。
ビターな要素は穏やかで、微かなブラックペッパーのパウダーの香りが奥行きを与える。
凝縮した果実味があり、フレッシュな酸味と繊細なタンニンが上質なバランスを生む。
フレーバーにはピュアなベリー香が戻り、フィニッシュに五香粉のようなスパイスの旨味を残す。
トップスターたちが創り上げるニューオーストラリアワイン
ショウ アンド スミスワイナリーは「マイケル・ヒル・スミス MW」と世界中のワイナリーのコンサルティングを行う「マーティン ショウ氏」の2人のオーナーを筆頭に、マーケティングを担当する「デイヴィッド・ルミアーMW」、数々のワインコンペの審査員を務めるワイン造りの天才「アダム・ワデウィッツ氏」など、オーストラリアのワイン業界で彼らの名前を知らない者はいないという位、綺羅星のようなメンバーでワインを手がけています。
人の才能によって厳選された類稀な産地で生まれるワインはこれまでのオーストラリアワインの常識を覆すといっても過言ではありません。
また、ショウ・アンド・スミスのワインは国際的にも高く評価され、豪州屈指のプレミアムワインとして多くの賞を毎年受賞しています。近年高騰著しいブルゴーニュの代替としても世界各国のハイエンドなレストランで採用されています。
是非、オーストラリアの最先端をいくピノノワールを体感してみてください。